空ゴト日和の庭

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2020年7月読了本まとめ

7月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:4555

追憶の夜想曲 (講談社文庫)追憶の夜想曲 (講談社文庫)
読了日:07月28日 著者:中山 七里
アリア嬢の誰も知らない結婚 (集英社オレンジ文庫)アリア嬢の誰も知らない結婚 (集英社オレンジ文庫)
読了日:07月27日 著者:我鳥 彩子,明菜
EYES 廃物件捜査班 (ハルキ文庫 か 20-1)EYES 廃物件捜査班 (ハルキ文庫 か 20-1)
読了日:07月24日 著者:柿本みづほ
サーチライトと誘蛾灯 (創元推理文庫)サーチライトと誘蛾灯 (創元推理文庫)
読了日:07月22日 著者:櫻田 智也
十三歳の誕生日、皇后になりました。3 (ビーズログ文庫)十三歳の誕生日、皇后になりました。3 (ビーズログ文庫)
読了日:07月20日 著者:石田 リンネ
男装の女騎士は職務を全うしたい! 俺様王子とおてんば令嬢の訳アリ婚 (フェアリーキス ピュア)男装の女騎士は職務を全うしたい! 俺様王子とおてんば令嬢の訳アリ婚 (フェアリーキス ピュア)
読了日:07月15日 著者:丹羽夏子
ドS様なんかいりません! 売れ残りそうなので密かに婚活したら地雷踏んだようです (フェアリーキス ピュア)ドS様なんかいりません! 売れ残りそうなので密かに婚活したら地雷踏んだようです (フェアリーキス ピュア)
読了日:07月13日 著者:しき
どうせ捨てられるのなら、最後に好きにさせていただきます (メリッサ)どうせ捨てられるのなら、最後に好きにさせていただきます (メリッサ)
読了日:07月12日 著者:碧 貴子
鬼恋語リ (集英社オレンジ文庫)鬼恋語リ (集英社オレンジ文庫)
読了日:07月10日 著者:永瀬 さらさ
鹿の王 4 (角川文庫)鹿の王 4 (角川文庫)
読了日:07月09日 著者:上橋 菜穂子
鹿の王 3 (角川文庫)鹿の王 3 (角川文庫)
読了日:07月08日 著者:上橋 菜穂子
去年の冬、きみと別れ (幻冬舎文庫)去年の冬、きみと別れ (幻冬舎文庫)
読了日:07月07日 著者:中村 文則
浮世に秘めた想い-京都寺町三条のホームズ(3) (双葉文庫)浮世に秘めた想い-京都寺町三条のホームズ(3) (双葉文庫)
読了日:07月04日 著者:望月 麻衣
鳳は北天に舞う 金椛国春秋 (角川文庫)鳳は北天に舞う 金椛国春秋 (角川文庫)
読了日:07月02日 著者:篠原 悠希
妖星は闇に瞬く 金椛国春秋 (角川文庫)妖星は闇に瞬く 金椛国春秋 (角川文庫)
読了日:07月01日 著者:篠原 悠希

読書メーター

 

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7/28 読了本『追憶の夜想曲 御子柴礼司』中山七里

 

追憶の夜想曲 御子柴礼司 (講談社文庫)

追憶の夜想曲 御子柴礼司 (講談社文庫)

 

 読み終えた後、ひぇ~と呟いてしまった。

事件のトリック自体は、登場人物の配置だけで、推理とか証拠とかはなくとも何となく勘でわかってしまい、まさにその通りだったのだけど、最後の最後で被告人の正体にどびっくりしてしまいました。

かつて凶悪事件を犯し、今は素性の悪い金持ちのみの依頼を受けるという悪徳弁護士として名を馳せる御子柴の活躍を描くシリーズ第二弾。
今回は、とある主婦の夫殺しの裁判をなぜか御子柴が担当しようとする。金持ちでもない、本人も自白で罪を認めていて弁護士の実績にもならないような事件になぜ関わろうとしたのか。

事件そのものよりも最後の爆弾がすごすぎて今続きが読みた過ぎて堪らない。そう来るのかと。結局、この物語は、リーガルサスペンスものではあっても、どこまでいっても”御子柴”の物語であるんだなと。

後、今回は6歳の女の子倫子ちゃんと御子柴の組み合わせがかわいすぎた。子供に対してどう扱っていいかわからず、普段の大人に対する言葉遣いをする御子柴に対して、倫子ちゃんは自分を子供扱いしないから信用できると御子柴に懐く。ラノベかな。ラノベだったらこの先も二人の関係は続いていくんだけど、多分続かない。何か、御子柴にどんな人でもいいけど、大切な人を与えたい。

解説で、実は作者は御子柴を1巻で殺すつもりだったとあって、嘘だろおまえ...という気持ちと、まあせやろな、という相反する気持ちがありました。御子柴という存在が生きてていいのか、幸せになっていいのか、でもここまで来たらもう幸せになって欲しいとしか思えない。これからも御子柴のシリーズを追い続けたいです。

 

7/27 読了本『アリア嬢の誰も知らない結婚』我鳥彩子

 

面白かった。魔法制御ができない落ちこぼれ少女×エリート冷血教師が、実は結婚しているんだけど、学園では内緒のラブコメディ。

冷血教師として女子生徒からは畏れられているラルシェと、魔法制御ができずトラブルを起こしいつも怒られているアリアは、補習という名で二人っきりになると途端に甘々の空気になるという、最初から出来上がってる二人です。

個人的には表面上冷血で恋人に甘々なタイプより、表面上は柔らかな笑顔で好きな人の前でドSなタイプの方が好みなんですけどね。そうはいってもラルシェのギャップは楽しむところ。後は女学園(?)なのか基本女の子ばかりなのがちょっと楽しい。アリアをお姉さま~と慕う妄想少女フェルトや、男装の麗人リュシルやそのお相手のミュリエットなど脇キャラクターがかなりいい味出してました。とんでもない事件が起きるわけでもなく、そこまでシリアスな恋愛ものというわけでもなく、不満があればそこなんだけど、それでも楽しく読めました。

二人が既に出来上がっているため、恋愛的な意味では実は脇キャラたちの方が気になりました。特にラヴルと男装の麗人であるリュシルの関係なんて、婚約候補というだけで何の接触もないのに想像だけでご飯が旨い。面白そうなカップルになりそうで、折角なのだからちょっとだけでも二人の話が見たかった。シリーズ化してくれても良かったのよ。そうはいっても発売日から1年も経っているので、発売当時に買っとけよと当時の私に言ってやりたい。

 

 

7/24 読了本『EYES 廃物件捜査班』柿本みづほ

 

EYES 廃物件捜査班 (ハルキ文庫)

EYES 廃物件捜査班 (ハルキ文庫)

 

 面白かった。廃墟に残った記憶を読むことができる、霊視能力を持った警察捜査官の話。雰囲気的には「心霊探偵八雲」に似ていました。こちらは警察が主人公なため、より事件性が強く複雑な構成になっていたものの、キャラクター性もありライトに読める感じがとても良かったです。

公には認められない力を持った麻耶に対し嫌味をいう他の警察たちというお決まりの存在から、逆に麻耶を慕う年下の部下、冷徹な「鉄の女」と呼ばれている女班長、麻耶の能力の師匠である守亜の存在など、キャラものとしても良いものがありました。個人的には麻耶に家にしょっちゅう遊びに来るらしい義妹の存在が気になったし、家族関係の話も詳しく知りたいところ。ぜひともシリーズ化して欲しい。

  この手の警察官がグループを組んで事件にあたるというタイプの小説は、私的には手薄な部分がありあまり読んでないのですがとても良かった。警察小説もちょっといいかなと思ったのでこれから読んでいきたい。

 

7/22 読了本『サーチライトと誘蛾灯』櫻田智也

 

サーチライトと誘蛾灯 (創元推理文庫)

サーチライトと誘蛾灯 (創元推理文庫)

  • 作者:櫻田 智也
  • 発売日: 2020/04/21
  • メディア: 文庫
 

 "ブラウン神父、亜愛一郎に続く、令和のとぼけた切れ者名探偵登場!"という帯の文言に見事に釣られてしまった私です。が、まあ、まあまあでした。

私は、亜愛一郎シリーズがとても好きで、キャラがどうとかではなく泡坂妻夫さんの描くあのシリーズが本当に好きで好きすぎるので(寧ろ一番好きかもしれない)そう意味でハードルが上がりまくっていたので、まあ、そこまでじゃなかったのは、当たり前のように仕方のないことです。でもまあ普通に面白くはありました。

個人的に一番面白かったのは登山の話「ホバリング・バタフライ」です。こっちの山のゴミが、あっちの山に捨てられてるんじゃないか疑惑を調べている女性が語り手として、たまたま居合わせたエリサワくんと調査することになったのだけどその過程で思わぬ事件に遭遇してしまう。前半の些細な行動がその後の事件に関わってきて、最後のオチに昆虫との関連性まで紐づけていて完璧でした。それ以外だと、「火事と標本」も良かった。これは全てが終わっている過去の事件を思い出すという形のエピソードなのだけど、村八分的な差別を受けて関わるなといわれている人と関わった少年時代の語り手の思い出。不遇な立場にある人の辿る悲劇は、悲劇しかないのだけど、エリサワが暴き出した真実は救いではなく、けれでもただの悲劇ではなくそこに少しの狂気が足されたものだったというアクセントの効いたもので私は好きです。

ところで、読メの感想欄を眺めていると、意外に亜愛一郎を知らないという人が多くて、いや、驚いてはいけない、なんてったってどえらく古いんだから仕方ないんだけど、私は亜愛一郎に釣られてこの本を読んでしまったのだけど、ここから亜愛一郎を読む人が増えるのは良いことですね。"探偵"ものが好きなら亜愛一郎は断固読んで損はないですよ。

 

7/20 読了本『十三歳の誕生日、皇后になりました。3』石田リンネ

 

面白かった。最高。最高に面白い。莉杏がかわいい。茉莉花シリーズも好きだけど、こっちのシリーズもすごい好きです。

今回は茉莉花シリーズ赤奏国編の話を莉杏視点から描かれたもの。茉莉花視点だとわりと殺伐とした話だったのに、莉杏視点だと、わりと明るく読めたのが新鮮。後、茉莉花が対応に苦慮していた海成が、莉杏にあっさり落とされていたのが、なんかこう何気に莉杏最強なのではと。そして、暁月が本気で茉莉花に興味がないんだとわかるのが面白すぎた。いや、興味なさすぎじゃないですか。

後、今更ながら、珀陽に妃がいるという事実を思い知った。そうなんだよ。例えば後宮もの作品なんかだったら、この中にヒロインがいたりするんですよ。よもや文官と、実はもうラブラブのラブの関係だなんて思い至らないでしょう。というか、この十三歳の皇后様しか読んでない人は、この茉莉花と皇帝が両想いであるという事実に気が付かないのでは。読メとか見てると、意外にこっちしか読んでない人が多いみたいで、茉莉花と珀陽の未来は明るいのですよと言いたい。安心して本編の方も読んでください。

個人的にいうと、私は茉莉花と珀陽のような関係が死ぬほど好きです。恋愛以外の部分が主軸の物語で、恋愛が邪魔にならず寧ろ力になるような作品が好きです。

 

7/13 読了本『ドS様なんかいりません!~』しき

 

タイトルは長すぎたので省力。タイトルそのまんまな話です。
ドS系ヒーロー大好きなので買ったのですが、どんぴしゃ。最高でした。
帯にあった”傲岸不遜なドS紳士×隠れ純情なお仕事女”というネーミングもまさにそれ。そこに惹かれた人はきっと楽しく読めるでしょう。
普段仕事では冷血女と呼ばれているアスリアは実は心は純情な普通の女の子。自分のことを知らない場所で密かに婚活しようとすると、そこにはハイスペイケメンで有名な王太子側近リアテルの姿があり自分に近づいてくる。そして、職場の冷血っぷりとは態度の違う自分をことあるがとに揶揄いイジってくる。氷の女と呼ばれていたアスリアはそれまで自分を律して決して感情を見せないようにしていたが、リアテルの態度に怒ったり泣いたりと普段と違う自分を見せてしまい、どんどん惹かれていくというお話。
いや、もう最高でした。ドSなんていっても作品によっては、後半になると甘々になるという残念なパターンもあるんですが、これに関しては、一貫してヒロインの泣き顔が好きだとヒーローの人が公言し、最後までそれを貫いていた。しかも、本編内では、そんなかっこよさを維持したのに、初回特典SSペーパーで見せたヒーローの素の部分が可愛すぎてオチまでが最高。可愛いの見本市だった。

とても面白かったので、作者様の他の作品もちらっと見てみたのですが、別にS系ヒーローというわけじゃないんですよね(当たり前だ)。自分の好みに合うかどうか微妙なところです。キャラやカップリング目的で見るなら優男真面目可愛い系男子よりも傲岸不遜冷血かっこいい系が好きな私です。まあ、シナリオを見るのであれば特にこだわるほどではないのですが(当たり前だ)作者様のことは少し気にしておこうと思います。