2020年の読書総数は161冊。前年に比べると、普段通りの分量に戻ってきたかなという感じです。ざっと見たところ、少女小説系統が半分くらい、少年系は多分よつ実だけなので新規は読んでません。一般文庫はいつもの作家と新規が半々。一般書の方は読みたくて目星付けてるのに読めてないという本が多いです。そんなわけで、2020年に読んで面白かった本をいくつか上げていきたいと思います。
◆面白かった作品(新規)
個人的に今期一のクリティカルヒット作。まだ読んでないこんな面白シリーズがあるだなんて思いもしませんでした。一族殲滅という理不尽な法の下から逃れるために、後宮に女装して潜むことになった主人公がそこで知り合うことになる人達の助けを借りつつ何とか乗り切る話。しかし後宮編は3巻までで、4巻以降は元の身分を取り戻し皇帝の命で動くことになり外に旅したり、陰謀に巻き込まれたりと、わりと流動的な運命を辿ります。現在シリーズ9巻目まで出ています。
かつて人を殺したことのある男が更生して弁護士となった御子柴シリーズ。"殺人者"という記号をキャラとして捉えるか人として扱うかで物語においての立ち位置が変わってくるんだけど、これはかつての罪の重さを自覚して今を生きる人間の話。しかし、一歩間違えれば重く暗い話になりがちなところ、男の内面をあまり表さず外からの視点を交えてるせいか物語は淡々と進みます。かつて人を殺した男はまた人を殺したのか。読者にミスリードを促しつつも最後はエンタメ小説として爽快感をも入れてくる。重さよりも希望と力強さを感じました。
近未来、原発事故で汚染され人の住めなくなった地域をパトロールするロボットたちの元に、国税庁から派遣されたという謎の女がやってくる。毎日決まったことを繰り返すだけの日常が、その人間の登場により、かき乱されることになる。世界観の謎と、ロボットたちの在り方が徐々に明かされていく過程はミステリー的でもあり、最後には恩田作品らしく、情緒に訴えかける仕掛けもある。とても面白かったです。
最近の糸森作品の中じゃ、一番推したい作品。
出会い頭に殺されかけたのに、途中から主人公のこと絶対守るマンに変更されてそのテンションの差に不気味さを感じるものの優しくされて絆されてしまいそうになる。しかし、理由がわからないから不信感もあるという微妙な関係でここから旅が始まるかもしれないストーリー。序章みたいな1巻で物語はここから!というところなので続きが読みたいです。
◆面白かった作品(継続シリーズ)
アニメ化した当時に全巻をがっと読んで、それから間が空いて、2年生編に入ったと知り、久しぶりに続きから読んだらめちゃくちゃ面白くて前以上にだだ嵌りした作品。特殊なルールに縛られた学園で、特殊な環境で育った最強系主人公が無双しながら、新しい感情に出会えるかもしれない物語。一番好きなキャラは堀北兄です。よろしく。
本当に大好きなシリーズで、毎年入れてるんだけど、外せない。好きです。「物覚えがいい」という特技を皇帝に見初められ、官吏となった少女の立身出世物語。シリーズも9巻目となり、色々な国に茉莉花が派遣され問題ごとを解決するといった感じの様式美が整いつつあります。姉妹版ともいえる『十三歳の誕生日、皇后になりました』が恋愛ましましに対し、こちらは薄めに見えるものの、物理的には離れていても心は繋がっているような茉莉花と皇帝の関係が、とても好きです。
◆
特に冊数は決めず、この辺かなといったあたりを上げました。
次点でもう少しいうと、永瀬さらささんの『鬼恋語リ』、中村文則さん『去年の冬、きみと別れ』、京極夏彦さんの呉美由紀シリーズ、西尾維新さんの掟上今日子シリーズ等々、一年間の読了リストを眺めていたら、あれもこれも面白かったなぁと思えるものはたくさんあります。2020年は世間的には色々あったものの、個人的には中々良い年だったのではと思っています。私の場合読了数が私の精神面を表していたりするので、まあまあ良い状況だったのでしょう。今年も良い読書ライフを送りたいものです。それではここまで読んで頂きありがとうございました。
最後に、一年間161冊分の読書メーターリストをペタリしました。特に感想とかは書いてないですが、見たい人はどうぞ。↓
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