空ゴト日和の庭

主に本とゲーム

6/11  読了本

 

 

「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書)
 

 

 読み終わってから、大分前に発売された本ということに気づきました。

森さんのエッセイ系新書はあまり読めてないので、本屋の棚にあれば反射的に買ってしまい勝手に新刊かと思ってました。

最近、阪急広告の“50万でやりがいのない仕事か、30万でやりがいのある仕事か”なんて、個人的にはやりがいなくても30万貰えたら十分だろと思ってしまったものの、多くの人が何かしら思ったのかツイッターで炎上してましたが、タイムリーでした。

そもそも電車の広告なんて何かしら大げさで変なこと書いてるのが普通だと思っているのでいちいち気にしないのですが(不愉快というよりとんちんかんなこと書いてるなぁとは思う)、こういうことが話題になる時勢になったんですね。

 

私の場合、若い頃やりがいなんてもちろんないままかなりブラック気味な会社で働いていて、ただその頃ゲーム実況黄金期で深夜12時過ぎに帰宅して実況観るのが楽しみ楽しみで、ぶっちゃけ会社でしんどかったというよりあの時代のゲーム実況は良かったなぁなんて懐かしむ想いの方が強かったりします。物理的にはかなりやばかったのですが精神的には充実しててつまりはそこまでしんどかったわけではないんでしょう。今やれと言われたら死にますが。

だからそこを退職してからは定時で帰れる会社を選んだもののそう簡単に上手くいくわけもなく、物理的には楽でも精神的にはきつかったり、その会社の人間関係なんて入ってみないと絶対にわからないもので、世の中というのは本当に変な人が多いんだなと厳しさを知っていくばかりでした。今現在はかなりフリーで、さもフリーターのような派遣生活をしています。

 

森さんは本書と言わず色んなところで、働かなくてすむならその方がいいというふうなことをよく言っていて、働きたくて働いてるわけじゃねえわ勢からは若干の反感を買ってるような気がしないでもないのですが、ここでも働きたくない人は辞めればいいのになぜ辞めないのか、辞めないのは働いてない状態と比べて今の方がましと自分が選んでいるだけと独特の森節を炸裂しています。

 私はどちらかといえば本書のテーマに関してはほぼ森さんの主張に同意で、寧ろ仕事にやりがいを求めて悩んでる人の気持ちがわかりにくかったりします。仕事はお金を稼ぐ単なる手段だと思っているので。早くお金を貯めて働かなくても生きていける余裕がほしいですね。