面白かった!最高だった!
毒々しいキャラクター達の毒々しいやり取り、大好きな宮野美嘉小説が戻ってきた。
ルルル文庫が消えてどうなることかと思ったけど本当に嬉しい。ありがとう。
「毒の姫」と呼ばれ蟲を愛するという特殊性癖を持つ玲淋。周りからは疎まれていたもののそんなことは物ともせず自由に生きていたところ、ある日、大好きなお姉様である斉国皇帝の命で魁国の王・鍠牙の元へ嫁ぐことになった。しかし、魁国の人達にはドン引きされ、王である鍠牙は玲淋のことを全く信用せず、玲淋もまた何の興味もなく過ごしていたが、ある日鍠牙の命が狙われるという事件が発生し、そこに≪蟲術≫が使われてたと知った玲淋は解決に乗り出す。
とにかくキャラクターたちが素晴らしい。
蟲でも人でも毒のあるものが好きと言い張る主人公、人を駒としか認識していない冷徹な斉国皇帝を最も美しいお姉さまと敬愛していたり、嫁いできた当初は全く興味なかった夫である魁国の王の”毒”のある一面が見えてくると好ましくなったりする変わった性癖がとても宮野美香作品です。
そして、女官である葉歌も初めは主人公の特殊さにあわあわするだけの常識人かと思えば謎の特技を持っていたり(まあ宮野作品レギュラーに普通の常識人なんているとは思ってなかったよ)、鍠牙の側近である利汪の影が今のところ薄いけど次がきたらきっと何かあってくれるかなと思っています。
初めは嫌い合っていた夫婦だけど、愛とか恋ではなくともお互い離れられない関係になった二人の今後の展開が楽しみでならないのでぜひとも続編をお願いします。