空ゴト日和の庭

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8/26 読了本『今昔百鬼拾遺 河童 』京極夏彦

 

今昔百鬼拾遺 河童 (角川文庫)

今昔百鬼拾遺 河童 (角川文庫)

 

呉美由紀と中禅寺敦子の河童をめぐる話。まるで河童に尻子玉を抜かれたかのように下半身を脱がされている水死体が次々と上がってくるという怪事件が発生する。敦子は薔薇十字探偵社の益田から別の事件の相談を受けるも、それが連続事件と関係することになり関わっていくことに。

前半の美由紀たちの女学生トークや、敦子と益田くんの会話から感じる当時の情勢トークが何気に面白かった。京極堂の世界観を観ていると電話というのが本当に急速に発展した文明の利器なんだなぁと感じることが多い。それ以外の生活なんかはそこまで違うわけでもないのにね。

お話自体は、事件のあらましから真相までキレイにピースがはまるような感じで楽しくはあったもののそこまで驚きの展開はなく、登場人物たちもたまたま立ち会った事件をたまたま関係していた探偵(益田)とたまたま取材していた(敦子)とたまたま第一発見者になってしまった美由紀が解決まで導くという普通の短編小説という感じがしました。いや長編なんだけど、とてもあっさり風味の短編という感じでした。

 

いわゆる京極堂シリーズ的なもののメイン以外は読んでないのも多いのですが、女学生(美由紀ちゃん)視点は読みやすいのでこれは読んでいこうかなぁと思ってます。