探偵ものかと思ったら全然探偵ものじゃなかった。
詩を書いてる25歳の青年が主人公。過去の詩人たちの集まりで知り合った人の半分が死んでいると知り、衝撃を受け、なぜ死んだのかと、その原因を探そうとする物語。
主人公の心象がやけに死に溢れていて、死を美化しているというか、とにかく厭世的な雰囲気が漂いすぎて、ぶっちゃけると気持ち悪い何かちぐはぐな感じがしたのだけど、最後の最後でそういうことかと腑に落ちた。
死んだ理由を知るために遺族を訪ねることになる主人公なのだけど、それによって、死んだ人たちの隠れた真実が明るみになるだとかそういうことよりも、残された人達が何を思っているのかそちらの方に重点を置かれていたような気がします。終わってみればそれも理由がわかるのだけど、それまではやはり、どうにも気持ち悪い感じがして、主人公が何をしたいのかさっぱりわからず、もやもやしながら読んでました。
全くミステリーではないのだけど、主人公にかけられたちょっとした仕掛けを読者が知る過程はそこだけミステリーぽくはありました。