空ゴト日和の庭

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9/23 読了本『ヴェールドマン仮説』西尾維新

 

ヴェールドマン仮説

ヴェールドマン仮説

 

ぼく(主人公)以外、家族全員「名探偵」という状況で何の特色もない主人公が事件を解決しようとするお話。

名探偵といっても、法医学者であったり推理作家、検事、弁護士、刑事、俳優、ニュースキャスター、VR探偵という、若干どこら辺が探偵かなと思う部分も無きにしも非ずだけど、主人公自身がそうであることを誇りに思ってるみたいなので良しとします。そんな家族に囲まれて、家族の主夫役?家事全般を引き受けている主人公くん。無職というわりには忙しそうでなぜそんな立ち位置になったのか不思議に思うところではあるけれど、そんな主人公くんが、首吊り死体をを見つけて、それは実は連続殺人の一環なのではとニュースキャスターをやっている姉に言われたことから、家族とチャットしながら助言を貰いつつ調べることに。 

家族全員名探偵というわりに、名探偵らしい助言も展開も特になく、基本主人公が淡々と、或は大胆に嘘に嘘を重ねて(ここらへん西尾作品ぽい)事件関係者に突撃しつつ危ない目にあいつつも事件解決を目指しいくという、あまり"名探偵"である所以が特に生きてないように思い、ちょっとそこは残念でした。作品全体も主人公の独白がメインで、物語シリーズアララギくんのような言い回しとか(西尾文体とでもいうのか)(性格がアララギくんに似ているという意味ではない)、私が苦手な文体でもありました。そこにもっと家族が絡んでくれたら良かったのかもしれません。あとがきから第二弾を書く満々のような雰囲気を感じとったので、次があれば家族の活躍も観て見たいですね。

 

ところで、この作品、西尾小説100冊目らしいですね。

私は、物語シリーズと伝説シリーズは途中で脱落してしまったものの、一応それ以外は読んでるつもりで、西尾さんの作風は決して嫌いではないので、もっと単発ものもがんがん書いて欲しいなぁと思いながら、これからも買い続けたいとは思います。