映画化ということで、読まなくてはと。
伊坂小説には珍しく、連作恋愛短編集でした。群像劇風で、ちょっとずつ色んな人が絡み合い、すれ違っていく。恋愛といっても恋愛まで行かない、ちょっとした出会い、ここから何かが始まるような、そんな希望と幸せが溢れている全体的にふわふわした物語でした。
伊坂小説らしく、あっちの話に出ていた人物がこっちの話にも出ていたりと繋がっていく楽しみはあったものの、一つ一つの話が短く深いところまで発展しないので消化不良な部分もありました。話自体が面白かっただけに、そこで終わるの!?みたいな部分があって、特に『メイクアップ』はいかにも続きがありそうでなかったので。この世界観での続編などは流石になさそうですしね。自分としては結末というオチをしっかり観たい派なのでやはりちょっと残念でした。
映画を観る前に読まなくてはと意気込んで読んだのですが、聞くところによると、映画は内容がちょっと違うらしいですね。時系列はわかりやすくなってるらしいものの、私の好きなエピソードはカット模様なのでどうしようかなと考えています。評判自体は悪くないみたいなので時間があれば観て見たいです。