空ゴト日和の庭

主に本とゲーム

5/23 読了本『かくりよ神獣紀 』糸森環

 

 面白かった。糸森作品にしては、そこまで厳しくない環境ではないでしょうか。
生きること自体に命の危険があるわけでなく、命の危険のある選択を強いられるわけでなく、イケメン二人に守られて、取りあえずは自分の居場所を持ち、これからの行動の自由がある。もちろんこれから何らかの試練はあるかもしれないけれど、今のところは安全地にいて、少し、ニコニコして主人公を見守っていられます。
そして、ヒーロー役の彼との関係も最高に良いですね。現れた時はいきなり殺そうとしたのに、何らかの理由で殺せないと知ったら、自分の命はおまえだと、主人公に隷属しなぜか付いて来ることになる。理由がわからないことに不気味さを感じるものの、一緒にいるうちに少しずつ信頼感も芽生えるも、だからこそ初めて出会った時の殺意の理由を隠してることに不信感もぬぐいきれないという、その微妙な関係性が最高ですね。
ところで私は、将来くっつくことが確定的だけど、現在は全くの恋愛未満な男女の関係が大好きなんですけど、そこも私の好みにぴったりですね。
まあくっつくことが確定的というのは私の予想兼妄想なので恋愛未満がそのまま最終回まで恋愛未満だったりしてスカを引くこともあるんですが、何というか、妄想の余地がある部分に最高にエモさを感じるのです。(ちなみに糸森作品で一番好きなのは「She&sea」です)

これから先は各地を廻る旅をすることになるのかな。
この希望に満ちたワクワク感を次に感じるというのも糸森作品にしては珍しい。とてもいいと思います。
次回でいきなりどん底に落とされたらどうしようと思いつつも次が楽しみです。