空ゴト日和の庭

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7/28 読了本『追憶の夜想曲 御子柴礼司』中山七里

 

追憶の夜想曲 御子柴礼司 (講談社文庫)

追憶の夜想曲 御子柴礼司 (講談社文庫)

 

 読み終えた後、ひぇ~と呟いてしまった。

事件のトリック自体は、登場人物の配置だけで、推理とか証拠とかはなくとも何となく勘でわかってしまい、まさにその通りだったのだけど、最後の最後で被告人の正体にどびっくりしてしまいました。

かつて凶悪事件を犯し、今は素性の悪い金持ちのみの依頼を受けるという悪徳弁護士として名を馳せる御子柴の活躍を描くシリーズ第二弾。
今回は、とある主婦の夫殺しの裁判をなぜか御子柴が担当しようとする。金持ちでもない、本人も自白で罪を認めていて弁護士の実績にもならないような事件になぜ関わろうとしたのか。

事件そのものよりも最後の爆弾がすごすぎて今続きが読みた過ぎて堪らない。そう来るのかと。結局、この物語は、リーガルサスペンスものではあっても、どこまでいっても”御子柴”の物語であるんだなと。

後、今回は6歳の女の子倫子ちゃんと御子柴の組み合わせがかわいすぎた。子供に対してどう扱っていいかわからず、普段の大人に対する言葉遣いをする御子柴に対して、倫子ちゃんは自分を子供扱いしないから信用できると御子柴に懐く。ラノベかな。ラノベだったらこの先も二人の関係は続いていくんだけど、多分続かない。何か、御子柴にどんな人でもいいけど、大切な人を与えたい。

解説で、実は作者は御子柴を1巻で殺すつもりだったとあって、嘘だろおまえ...という気持ちと、まあせやろな、という相反する気持ちがありました。御子柴という存在が生きてていいのか、幸せになっていいのか、でもここまで来たらもう幸せになって欲しいとしか思えない。これからも御子柴のシリーズを追い続けたいです。