空ゴト日和の庭

主に本とゲーム

11/30 読了本『バチカン奇跡調査官 二十七頭の像』藤木凛

 

 バチカンシリーズ久しぶりに読んだけど、相変わらず面白い。
藤木凛さんの世界観って独特で、ぶっちゃけ超常現象は"ある"世界なのだけど、事件自体にその現象が使われることはほぼ"ない"のですよね。なので、めちゃくちゃ、ホラーチックでどれだけ奇抜でも、そこには必ずカラクリはある。そこがとても気持ち良い。今回の話は、悪魔召喚。召喚の魔法陣の上で、人々が次々と自殺するという怪現象。そして、その前後、まわりでは悪魔を見たという証言が多数。しかし、自殺かと思われてた事件の一つが殺人かもしれないとなり、それは一気に連続殺人の謎に広がる。それをアメデオ捜査官と、心理捜査官であるフィオナが追いかける。という事件パートが一つ。一方、本作の主人公である平賀とロベルトはバチカン美術館の前にマリア様が現れるという奇跡調査をすることに。この二つがどう絡んでいくか。
今回、平賀とロベルトがほぼ空気だったけど、フィオナ大活躍の話で個人的にはとても面白かった。さしずめローレンチームと名付けたい。平賀たちはどう転んでも神父であることに変わりないので事件を捜査するとなると警察側であるアメデオやフィオナ視点の方が話がスムーズに進むのですよね。ローレンは出てこなかったけど影は感じたし、これからもこんな感じに関わっていくかと思えば楽しみだ。

バチカンシリーズ、本当に久しぶりだったけどまた早めに読んでいきたい。