花街の用心棒をしていた主人公・雪花が、その腕を見込まれ後宮での貴妃の護衛を依頼され、借金返済のため仕事を受けることにというお話。
面白かったです。この手の話はわりといろいろ読んでますが、素直にこれは面白いと思えました。主人公の女の子がガチで強くて、活動的で、さっぱりしててとても好感が持てます。しかも美形である義父のせいで美形嫌いになって、絶世の美形顔である志輝をあからさまに嫌うせいで逆に気に入られるという、まあよくあるパターンです。そして、主人公のバックボーンがわりと複雑で、義父の旅にあちこち連れまわされ、借金返済のために妓楼に売られて用心棒をする羽目になったということだけど、実はその生い立ちには複雑な事情があるという。1巻では、ただ後宮で仕事をして、昔をちらっと思い出したりするぐらい詳しい事情は明かされません。正直、伏線だけあってわからな過ぎるのも気持ち悪いのですが、ここは続編以降で明かしてくれるでしょう。
ヒーロー役である志輝はさっそく今回からぞっこんといっていいほど雪花に入れ込んでいます。そう見えます。雪花の方は全くその気はないので、しばらくはこの完全片想いを見ることになるのでしょうか。それにしても雪花も不思議がっていましたが、いくらなんでも惚れるタイミングが早すぎます。本人一目ぼれといっていましたが、もうちょい何かあってもいいのでは思ってしまったのも事実。おまえ自分の美形顔を嫌ってくれる相手なら誰でもいいのかよと。まあロマンス的な何かもこれからに期待です。
カクヨム連載らしいのですが、今のところwebで読む予定はなく、でも続きは読みたいのでぜひ続きも書籍化して頂きたい。