<特に印象に残った本>
今月一番衝撃的だったのは何といっても女性向きエロレーベルであるメリッサ文庫から出てる「魔術師は愛しい家を手に入れる」が普通にすごく良い話だったことです。わりと前の作品ですが、元々メリッサはラブロマンスという枠に入りきらない微妙な作品を拾い上げるレーベルではあったのですが、ラブというより完全な”家族”の話でした。遊び人だったヒーローがヒロイン(主人公)の女の子を妊娠させてしまい、不本意ながら責任を取るはめになってしまったのだが、彼女の家は貧乏で下に9人の妹弟がおり、その面倒を見るため四苦八苦することになったヒーローの苦難と成長の物語です。特に子供たちとの交流と衝突の話がメインに描かれ、それまで家族と縁がなかったヒーローが子供たちと触れ合い徐々に変化していく様がとても良い。まさかのレーベルでとても良い話を読ませて頂きました。この先、子供たちがどう成長していくのかとても気になっているのですが、続きはないんでしょうね。機会があれば別作品も読んでみたいです。
「薬の魔物の解雇理由2」私が去年出会った作品の中でも最もズキュンと琴線に触れた作品の続編がやっと出てくれました。遅れていたのでどうなったのかと心配していたのですが、どうやら帯情報からまあまあ好評だったらしく、こんなニッチな作品が私以外にも好まれているのかと、ちょっとびっくりしましたが大変有難いことです。
「作家令嬢と書庫の姫~④」正統派王道宮廷ラブロマンス完結編。面白かったのでもっと続いても良かったのだけど、大変きれいに終わりました。作者様の次回作も楽しみにしています。
「少女を殺す100の方法」グロテスク不条理系ミステリーな短編集。白井作品といえばグログロなイメージですが、個人的にはそういう描写的なことよりも、独特の世界観や特殊シチュエーションこそが魅力だと思っています。今回でいうなら、年に一度少女が空から降っくるという村の話だったり、巨大ミキサーに閉じ込められた少女たちの話だったり、普通ではあり得ない話というのがとても好きです。
ちなみにグロ系に関して私は、映像はアウトでも文章なら全然平気です。というのも、基本的に文章から映像を思い浮かべることがあまりないからです。あっても白黒の雑な一枚絵で、動かないしボンヤリとしているので鮮明に見えるということがほぼない。逆にいうと、きれいな景色を描写されててもそれを想像することがないし、アクション描写が多いと目を滑らせながら読むことになりますが。だからこそ、心理描写メインの作品が好きだったりするのだけど、それはまあ私の好みの話ですね。
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最近、アベマの声優バラエティ『声優と夜あそび』を毎日楽しみに見てます。ちょっと前から声優関連の動画に嵌っていたのですが、毎週定期的にある番組に嵌るというのはちょっと何年ぶりかというくらいで、贅沢で楽しいものです。
以下、読書メーターです。
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