空ゴト日和の庭

主に本とゲーム

2/7 読了本『怪物はささやく』パトリック・ネス

 

怪物はささやく (創元推理文庫 F ネ 2-1)

怪物はささやく (創元推理文庫 F ネ 2-1)

 

前々からとても読みたくて、やっと読むことができました。

病気の母親のことで学校では苛められ、気の合わないおばあちゃんの家では居場所がなく、夜ごと現れる怪物に不条理で理不尽な物語を聞かされることになる少年。それは悪夢なのか現実なのか。

主人公の少年はなぜか何かの罰を受けたがっているように見えたり、怪物が現れた時ももっと怖い存在を知っているなどと嘯いたりと、一体少年は何を隠しているのか、本当はどういう人間なのか、そして怪物は何なのかということを考えながら読んでました。
わかってしまえば単純な、誰もが思い悩み直面する可能性でもあり、それでもそれが受け入れられず、怪物を作り出してしまった13歳という年齢が絶妙だなぁと思いました。映画版の方では"怪物"の正体がわかるようになっているとちょっとネタバレを観たんですが、とても良い落としどころを用意していて、色々ストンと落ちました。

ただ、自分にとってはリリーから手紙を貰ったあの瞬間が最高にクライマックスで、彼らはもう大丈夫だと。実際に何かが解決したわけでもないのにあの瞬間すべてが塗り替えられた気がしました。母親や父親、おばあちゃんなど家族の問題は独りで立ち向かわなければならないにしても、その外側にも人が、味方がいるんだということに気付くことができたら、ここまで思い詰めることもなかったかもしれないのにね。

 これはジャンル的には児童ファンタジーになってしまうのでしょうか。創元推理文庫だし、普通のファンタジー扱いでもいいような気もするけど。ファンタジー良いですね。この手のものを読むと、またこんな作品が読みたいと思ってしまいます。

とても面白かったです。

 

2/6 読了本『錆びた太陽』恩田陸

 

錆びた太陽 (朝日文庫)

錆びた太陽 (朝日文庫)

 

面白かったです。ジャンル的には近未来SFファンタジーのような、どちらかといえばファンタジーよりのような気もします。 

 放射能汚染により人が住めなくなった立入制限区域を管理している人型ロボットたちの元へ、ある日、国税庁から派遣されたという謎の女が現れ、その日から想定外の事件が次々と起こることになる。人型ロボットが登場してロボット三原則の話をするあたりはとてもSFなんだけど、放射能の話をするあたりがとても現代チックで、個人的にはそこがちぐはぐに感じて、しかも、汚染地域にはモンスターやゾンビなんかまで徘徊している、なので現代ファンジーよりなのかなと思いました。

 基本的にはロボットたち視点から国税庁の女とのやり取りで話が進み読み手は彼らの会話からこの世界がどんな世界なのかということを知る。ロボットたちは基本的には人の言うことを聞く仕様なのだけど、人を危険な目にを合わせてはならないため、必至にここがどれだけ危険かを説明しながらも、女の自由奔放さに振り回されることになる。

 恩田陸さんの小説ってなぜかあらすじを説明するのが難しいものが多く、この作品もそのうちで、どんな作品なのかと一言では言いづらい。個人的には知らない世界を読み進めながら知っていく、冒険ファンタジー的な楽しさと、ロボットたちが女と出会うことで感情的な何かを動かされることになる痛快なやり取りが楽しく感じたお話でした。もっというと後半部分のネタバレ的な部分がとても面白展開で、この世界の先はどうなっていくんだと、気になって仕方がなかった。続編ないんですよね。

恩田陸作品は、やはり外れがないし面白い。昔のは結構読んでるのですが、最近のは読んでないものが結構あるのでまたガンガン読んでいきたいと思います。 

2/5 今期アニメの話

◎2020年冬アニメの感想

今期なぜだかめっちゃアニメ見てます。

 

ID: INVADED イド:インヴェイデッド|The Official Site for Animation
めっちゃ面白った。個人的今期のダークホースです。
舞城が脚本をやっているアニオリ。ゲームっぽいファンタジーミステリーみたいな感じ。主人公が犯罪者で名探偵という最高の逸材。

・ハイキュー
漫画未読で、アニメのみ追ってます。今期も楽しく観させて頂きます。

・虚構推理
原作既読。まあまあ良い出来ではないでしょうか。
2話に、なぜ一番映像に向いてないあの話を持ってきたのか。3話から1巻の話に入るので大丈夫かな。でも全体的に台詞過多な気もするんですよね。

・痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。
思った以上に面白かった。女の子がMMOゲームに嵌ってほのぼのしつつ、適度にチートさがあって爽快感もある。

ダーウィンズゲーム
バトルロワイヤルものとしては王道の展開ながらスピード感があって良い。
続きも楽しんで見ていきたい。

とある科学の超電磁砲
本編の方は途中で切れちゃったけどレールガンアニメはいつも見てます。

・ソマリと森の神様
人間がいないという特殊な世界観でゴーレムと人間の女の子のほのぼの旅。
とても良い話だと思うし、世界観も面白いのだけど、何か特別なびりびりした展開が来ないと、ほのぼの具合に私が耐えられなくなりそう。

・ブランダラ
・地縛少年花子くん
上二つは何となく見てるものの様子見含めて何か面白展開ないと一番切りそう。

 

ランウェイはちょっと気になったのだけど、2話を見逃してしまったのでまあいっかーと諦めました。一挙などがあったらぜひ見たいです。

 いつものごとく、アニメは基本ネット無料配信でしか見ないのですが、今期妙に多いように感じました。そうはいっても最終的には多分半分くらいのなりそうですが、楽しんで見ていきたいです。

 

2/2 最近の購入本と私の本屋事情

本を買う瞬間が私は一番好きなのかもしれない。本屋に行って、新刊コーナーを回り手に取りながら面白そうだと思ったら読むときのわくわく感を胸にレジへ向かう。何なら読む以上にこの瞬間が好きでたまらないまである。なので、それを省力する電子やweb注文はとても勿体なくて、本屋さんに寧ろ入場料を払ってまで入りたいくらいなのですけど、こういう人は少ないんでしょうねと、この前、書店の衰退やら何やらの記事を読んで思いました。まあ、私が生きてる間くらいになくなることはないと思うので、それまでは本屋に投資したいです。

ところで私がこれほど書店にこだわるのは無駄に書店が多すぎる環境が身近にあるせいかもしれません。通勤圏内に大型書店が3つ、小・中型が4つ(もっとあるかも)、プラスしてアニメイトにツタヤ、ブックオフもある。あれほど書店潰れたニュースが溢れているのにこれだけ近くに密集して存在できてる謎が知りたい。地元の方は今や書店など一つもないが、小さい頃は徒歩圏内にかなり大きめの本屋が一つあり、小さな本屋さんも2つほどあり、スーパーの中の本コーナーも充実しており、立ち読み梯子(嫌な客)をしていたものです。そんなこともあり、今やすっかり本人間としてお金を落としているので勘弁してください。(地元の本屋は全て潰れましたが)

 

 

◎最近の購入本

「錆びた太陽」恩田陸
「書楼弔堂 炎昼」京極夏彦
「殺し屋、やってます」石持浅海
怪物はささやく」パトリック・ネス
「魚神」千早茜
「記憶屋」織守きょうや
「暁花薬殿物語」佐々木禎子
「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました5」永瀬さらさ

記憶屋はあらすじだけだとピンと来るものがなさすぎてスルーしていたものの、作者の作品で面白いものがわりと多くて、あらすじは見なかったことにして買いました。暁花薬殿物語は新刊のあらすじが何か面白そうだったので(そういうことってあるよね)、後は、知ってる作者や前から読みたかったものです。

購入本記録は書いたり書かなかったりして安定しないんですが(感想と同じ)、未読がわかりやすいしできれば書いていきたいです。

 

2020年1月読了本まとめ

1月の読書メーター
読んだ本の数:18
読んだページ数:5834


世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ) 1 (オーバーラップ文庫)世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ) 1 (オーバーラップ文庫)
読了日:01月29日 著者:黒留ハガネ
万能女中コニー・ヴィレ (フェアリーキス ピュア)万能女中コニー・ヴィレ (フェアリーキス ピュア)
読了日:01月27日 著者:百七花亭
悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました4 (角川ビーンズ文庫)悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました4 (角川ビーンズ文庫)
読了日:01月25日 著者:永瀬 さらさ
悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました3 (角川ビーンズ文庫)悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました3 (角川ビーンズ文庫)
読了日:01月23日 著者:永瀬 さらさ
准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る (角川文庫)准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る (角川文庫)
読了日:01月23日 著者:澤村 御影
骸骨王と恋するいばら姫 引きこもりの私に暗殺命令が出ました! (一迅社文庫アイリス)骸骨王と恋するいばら姫 引きこもりの私に暗殺命令が出ました! (一迅社文庫アイリス)
読了日:01月22日 著者:梨沙
悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました2 (角川ビーンズ文庫)悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました2 (角川ビーンズ文庫)
読了日:01月20日 著者:永瀬 さらさ
魔法世界の受付嬢になりたいです 1 (アリアンローズ)魔法世界の受付嬢になりたいです 1 (アリアンローズ)
読了日:01月18日 著者:まこ
白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記 (新潮文庫)白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記 (新潮文庫)
読了日:01月16日 著者:小野 不由美
白銀の墟 玄の月 第三巻 十二国記 (新潮文庫)白銀の墟 玄の月 第三巻 十二国記 (新潮文庫)
読了日:01月16日 著者:小野 不由美
白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記 (新潮文庫)白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記 (新潮文庫)
読了日:01月16日 著者:小野 不由美
白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記 (新潮文庫)白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記 (新潮文庫)
読了日:01月16日 著者:小野 不由美
悪役令嬢になりたくないので、王子様と一緒に完璧令嬢を目指します! (フェアリーキス ピュア)悪役令嬢になりたくないので、王子様と一緒に完璧令嬢を目指します! (フェアリーキス ピュア)
読了日:01月11日 著者:月神サキ
悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました (角川ビーンズ文庫)悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました (角川ビーンズ文庫)
読了日:01月10日 著者:永瀬 さらさ
贖罪の奏鳴曲 (講談社文庫)贖罪の奏鳴曲 (講談社文庫)
読了日:01月09日 著者:中山 七里
吸血姫はペットではありません!  ~魔王の娘は無敵の騎士に溺愛される~ (メリッサ)吸血姫はペットではありません! ~魔王の娘は無敵の騎士に溺愛される~ (メリッサ)
読了日:01月08日 著者:葉月 クロル
妹に婚約者を譲れと言われました 最強の竜に気に入られてまさかの王国乗っ取り? (カドカワBOOKS)妹に婚約者を譲れと言われました 最強の竜に気に入られてまさかの王国乗っ取り? (カドカワBOOKS)
読了日:01月07日 著者:柏てん
准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき (角川文庫)准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき (角川文庫)
読了日:01月06日 著者:澤村 御影

読書メーター

 

18冊。まあまあ読んだ気になってたけどそうでもなかった。
全体的に、前から気になってた本や年間ベストなんかで気になった本を読んでみた感じの月でした。

続きを読む

1/12 読了本『贖罪の奏鳴曲 』中山七里

 

贖罪の奏鳴曲 御子柴礼司 (講談社文庫)

贖罪の奏鳴曲 御子柴礼司 (講談社文庫)

 

 多額の報酬を要求する悪徳弁護士・御子柴礼司のシリーズ第一弾。といいっても、本作については"御子柴礼司"という男がどういう人間なのかを紹介したような話だった。

かつて殺人を犯し更生し弁護士になったという設定を聞いて、色々なパターンを想像できたが、殺人の理由が怨恨や正当防衛など何か理由があるわけではなくただ何となく殺したかっただけという人間が、殺人の重さを自覚するに至って反省までして弁護士になったという過程がとても珍しいと思った。何となくというサイコな理由で殺人を行った人間がそのまま大人になり弁護士になるならまだわかるんだけど(フィクション的な意味で) 、それが更生したというのが私的にはショックというか、フィクションだけど妙にリアルさをはらんでいて驚きでした。しかし、もし実際にそんな人間が近くにいたら、別に生きててもいいけど、近くにはいて欲しいくないと思ってしまうのが人情で、これから御子柴にさらなる災難が襲いかかることは想定に難くなく、想像したらわくわくとドキドキで大変つらい先が読みたい気分になりました。

そんなわけで、本作は、御子柴の過去を知り強請っていたと思わしき男が殺された為、警察は御子柴が再度殺人を犯したのではないかと御子柴の過去を調べ始める。その関係で御子柴の少年院時代の話が挿入されるわけですが、はっきりいって現代パートの事件よりも少年院時代の方がメインかのように面白かったです。死刑になってもいいと考えていた御子柴が音楽を聞いて変わり始め、友達の死や理不尽な出来事を通してどんどん人らしくなっていく。こんなん見ると応援したくなってしまうじゃないですか。でも人を殺したことは事実で(しかも理由なく)、殺された側のことを考えると応援していいのか、いやしかし法律的には彼が生きていくことに何の問題もないわけでとものすごく変な気分になります。

御子柴自身のことばかり語ってしまいましたが、ちゃんとメインの事件バートではどんでん返しによる返し返しというか、寧ろ二転三転しすぎて個人的には御子柴の話の方が頭に残ってしまったわけですが、メインの事件は中々救われない話ではありました。

二作目はリーガルミステリーものとしてはわりと真っ当なできになっているらしいので楽しみにしたいと思います。

1/8 読了本『准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき 』澤村御影

 

准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき (角川文庫)

准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき (角川文庫)

 

年末の読書メーターのランキング(シリーズ部門)でかなり上位に入っていて興味を持った作品。民俗学の准教授のお話ということでゆるふわ事件簿的なものかな思ったら、主人公が他人の嘘を見抜く能力持ちということを知り俄然読みたくなりました。

小さい頃に不思議な祭りに迷い込み、そこのものを食べたことにより他人の嘘を聞き分ける耳を持ってしまった主人公は、まわりの人間や親に気味悪がられ、人とは距離を取るようになり、上辺だけの人間関係を築いていた。対して、探偵役の高槻は過去に神隠しに合い一度見たものは忘れないという能力持ちなものの、主人公と違い天真爛漫で子供みたいな性格で、いつか本当の怪異現象に出会い自分の謎もわかるんじゃないかと怪奇ものに積極的に関わっていた。そんな二人が出会い怪奇現象に悩む人の相談にのり事件を解決していくというお話。

面白かったです。事件自体は単純なものが多く、怪異かと思えば人の仕業でしたというものがほとんど。どちらかといえば、今まで人を避けてきた主人公が事件を通して人と関わることで変わっていくことを描いたドラマ部分もメインとなっていくのかなと。

個人的には主人公の嘘を見抜くというチート能力がめちゃくちゃ気に入っています。特殊能力で事件を解決するものって好きなんですよね。SFやファンタジーというわけでなく、あくまで現代ものミステリーの体裁を取りつつ主人公が能力持ちってかっこよくないですか(伝われ)。そんなわけで、できればあまりファンタジーよりにならず、あくまで人の事件簿であって欲しいなぁとちょっと思ってます。2巻3巻とどうなっていくかわかりませんが続きを読んでいきたいです。