空ゴト日和の庭

主に本とゲーム

11/30 読了本『バチカン奇跡調査官 二十七頭の像』藤木凛

 

 バチカンシリーズ久しぶりに読んだけど、相変わらず面白い。
藤木凛さんの世界観って独特で、ぶっちゃけ超常現象は"ある"世界なのだけど、事件自体にその現象が使われることはほぼ"ない"のですよね。なので、めちゃくちゃ、ホラーチックでどれだけ奇抜でも、そこには必ずカラクリはある。そこがとても気持ち良い。今回の話は、悪魔召喚。召喚の魔法陣の上で、人々が次々と自殺するという怪現象。そして、その前後、まわりでは悪魔を見たという証言が多数。しかし、自殺かと思われてた事件の一つが殺人かもしれないとなり、それは一気に連続殺人の謎に広がる。それをアメデオ捜査官と、心理捜査官であるフィオナが追いかける。という事件パートが一つ。一方、本作の主人公である平賀とロベルトはバチカン美術館の前にマリア様が現れるという奇跡調査をすることに。この二つがどう絡んでいくか。
今回、平賀とロベルトがほぼ空気だったけど、フィオナ大活躍の話で個人的にはとても面白かった。さしずめローレンチームと名付けたい。平賀たちはどう転んでも神父であることに変わりないので事件を捜査するとなると警察側であるアメデオやフィオナ視点の方が話がスムーズに進むのですよね。ローレンは出てこなかったけど影は感じたし、これからもこんな感じに関わっていくかと思えば楽しみだ。

バチカンシリーズ、本当に久しぶりだったけどまた早めに読んでいきたい。

 

 

 

11/5 読了本『愛しい人の幸せのため、悪役だって全力で頑張ります』鬼頭香月

 

 ひたすら主人公の女の子が可愛らしかった。
ある日占いで、つき合っている彼が、運命の恋に出会い、自分はそんな彼に嫉妬して邪魔しまくるが、二人はその障害を越えて幸せになるでしょうという、主人公にとって悪夢ともいえることを告げられる。それを信じた主人公は彼のためには自分と別れその子と付き合った方がいいと考え、慣れない悪役を演じることにするが、中々上手くいかず、という悪役令嬢ものを少しもじったようなお話。しかも彼の側にいくと好きで好きで仕方がないのですぐにメロメロになってしまうという。個人的には、主人公の女の子の可愛さを愛でるお話だった。

初作者様な気もしたけど、書籍見たら、昔読んだことのある本がちらほらあり、それでも随分ご無沙汰だった。最近の本は読んでないのでまた読んでいきたい。

 

2020年10月読了本まとめ

10月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2636

コンビニたそがれ堂 (ポプラ文庫ピュアフル)コンビニたそがれ堂 (ポプラ文庫ピュアフル)
読了日:10月30日 著者:村山 早紀
スパイ学校の新任教官 (創元推理文庫)スパイ学校の新任教官 (創元推理文庫)
読了日:10月28日 著者:スーザン・イーリア・マクニール
死体埋め部の悔恨と青春 (ポルタ文庫)死体埋め部の悔恨と青春 (ポルタ文庫)
読了日:10月21日 著者:斜線堂 有紀
SPY×FAMILY 3 (ジャンプコミックス)SPY×FAMILY 3 (ジャンプコミックス)
読了日:10月18日 著者:遠藤 達哉
SPY×FAMILY 2 (ジャンプコミックス)SPY×FAMILY 2 (ジャンプコミックス)
読了日:10月18日 著者:遠藤 達哉
SPY×FAMILY 1 (ジャンプコミックス)SPY×FAMILY 1 (ジャンプコミックス)
読了日:10月18日 著者:遠藤 達哉
どこの家にも怖いものはいるどこの家にも怖いものはいる
読了日:10月17日 著者:三津田 信三
婚約破棄から押しかけ婚します! (レジーナブックス)婚約破棄から押しかけ婚します! (レジーナブックス)
読了日:10月15日 著者:相坂 桃花
清純派令嬢として転生したけれど、好きに生きると決めました (レジーナブックス)清純派令嬢として転生したけれど、好きに生きると決めました (レジーナブックス)
読了日:10月12日 著者:夏目 みや
転生しまして、現在は侍女でございます。 5 (アリアンローズ)転生しまして、現在は侍女でございます。 5 (アリアンローズ)
読了日:10月04日 著者:玉響 なつめ

読書メーター

 

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10/22 読了本『死体埋め部の悔恨と青春』斜線堂有紀

 

死体埋め部の悔恨と青春 (ポルタ文庫)

死体埋め部の悔恨と青春 (ポルタ文庫)

 

 初・斜線堂有紀としてはまずい作品を読んでしまったかもしれない。
突然襲い掛かってきた男を揉みあいの結果思わず殺してしまった主人公の前に、助けてやろうか、と声をかけてきた謎の男に導かれそのまま死体を埋めて隠してしまった。しかし、男は、死体を埋める仕事をしているらしく、主人公にもそれを強要し流されるまま死体埋め活動をすることになる。謎の男・織賀がわりと狂った男なのでキャラ小説としての側面を前面に見るか、死体の損害具合から何が起こったか推理するということから推理ものとして見るべきか、殺してしまった罪悪感とバレたくないという葛藤を抱えながら死体を埋めるという心理面を描いたホラーものとして見るか、読んでる側としては心持ちが定まらなかった。

読む人によっては主人公・祝部と織賀のほの暗い友情&青春ものとして見るひともいるらしいが、個人的にはそこまでいかなかった。主人公がひたすら罪悪感に苛まれているので、そちらの気持ちに引きずられて、陰鬱な気持ちで読み進んでいた。これが織賀視点か、或は完全に壊れたぶっとんだような性格なら何とかなったかもしれないが、普通の人が殺人を起こしてしまったという心理がついてまわったので、もう自首しろという気持ちしかなかった。

終わり方も自分が想像できうる最悪の終わり方だったのが、ちょっと。2巻が出ているらしいが、流石にここから逆転ミラクルハッピーエンドにはなりそうにない。

作者初作品としては苦いものを読んでしまったのだけど、まさかみんなこんな作品ばかりとは思いたくないので、もう少し何か別の作品を読んでみたい。

 

2020年9月読了本まとめ

9月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:4953

お狐様の異類婚姻譚 元旦那様が恋を知り始めるところです (一迅社文庫アイリス)お狐様の異類婚姻譚 元旦那様が恋を知り始めるところです (一迅社文庫アイリス)
読了日:09月30日 著者:糸森 環
巴里マカロンの謎 (創元推理文庫)巴里マカロンの謎 (創元推理文庫)
読了日:09月28日 著者:米澤 穂信
どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。(1) (女性向けMノベルス)どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。(1) (女性向けMノベルス)
読了日:09月26日 著者:六つ花 えいこ
転生しまして、現在は侍女でございます。 4 (アリアンローズ)転生しまして、現在は侍女でございます。 4 (アリアンローズ)
読了日:09月20日 著者:玉響 なつめ
ティーンズラブ世界に転生しましたがモブに徹したいと思います メイドから見た王宮恋愛事情 (フェアリーキス ピュア)ティーンズラブ世界に転生しましたがモブに徹したいと思います メイドから見た王宮恋愛事情 (フェアリーキス ピュア)
読了日:09月19日 著者:鳴澤うた
死香探偵 - 尊き死たちは気高く香る (中公文庫)死香探偵 - 尊き死たちは気高く香る (中公文庫)
読了日:09月18日 著者:喜多 喜久
従者のお仕事 異世界なのに魔法禁止はひどいです隊長っ! (アイリスNEO)従者のお仕事 異世界なのに魔法禁止はひどいです隊長っ! (アイリスNEO)
読了日:09月15日 著者:こる
没落寸前ですので、婚約者を振り切ろうと思います2 (フェアリーキス ピュア)没落寸前ですので、婚約者を振り切ろうと思います2 (フェアリーキス ピュア)
読了日:09月14日 著者:夏目みや
婚約破棄された目隠れ令嬢は白金の竜王に溺愛される (レジーナブックス)婚約破棄された目隠れ令嬢は白金の竜王に溺愛される (レジーナブックス)
読了日:09月13日 著者:高遠 すばる
転生しまして、現在は侍女でございます。 3 (アリアンローズ)転生しまして、現在は侍女でございます。 3 (アリアンローズ)
読了日:09月12日 著者:玉響 なつめ
転生しまして、現在は侍女でございます。 2 (アリアンローズ)転生しまして、現在は侍女でございます。 2 (アリアンローズ)
読了日:09月11日 著者:玉響 なつめ
本の読める場所を求めて本の読める場所を求めて
読了日:09月07日 著者:阿久津隆
平安あや解き草紙 ~その姫、後宮にて天職を知る~ (集英社オレンジ文庫)平安あや解き草紙 ~その姫、後宮にて天職を知る~ (集英社オレンジ文庫)
読了日:09月05日 著者:小田 菜摘
転生しまして、現在は侍女でございます。 1 (アリアンローズ)転生しまして、現在は侍女でございます。 1 (アリアンローズ)
読了日:09月02日 著者:玉響 なつめ
親王殿下のパティシエール(2) 最強の皇女 (ハルキ文庫)親王殿下のパティシエール(2) 最強の皇女 (ハルキ文庫)
読了日:09月01日 著者:篠原悠希

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9/20 読了本『ティーンズラブ世界に転生しましたがモブに徹したいと思います』鳴澤うた

 

 恋愛関係に陥りそうな主要人物の顔がはっきり見えて、それ以外の人がぼんやりとモブ顔にしか見えない特殊能力を持った主人公。前世でTL小説が好きだったため、それっぽい人を追いかけて出歯亀していたら、それを女王陛下(実は男)に見とがめられ、なぜか王宮の恋愛事情を探るよう言い渡されたのだった。

実は主人公が追いかけていた人物は政敵の重要人物で、女王陛下(男)ともに間諜の真似事をしているうちに交流が深まっていくというタイプのラブコメ。といいつつ、前半部分、陛下が男と知らずイチャイチャしていた時期が個人的にはめちゃくちゃ好きで、後半恋愛シリアスに入ってからは、ちょっと微妙な感じに。まあこれは良くあるこで、私の好みの問題もあるけど、それで前半の楽しさが消去されたわけではない。初作家さんでしたけど、これからも気にしていこうと思います。

 

9/6 読了本『平安あや解き草紙』小田菜摘

 

 これは、思った以上に面白かったです。

なんといっても主人公が32歳。とても新鮮です。
自分と半分の年齢である帝(16歳)から想いを告げられ入内を命じられたものの、そこで10年前にとある誤解から別れたかつての恋人・嵩那と再開する。後宮で尚侍として働いてるうちに嵩那に対して想いを抱くようになるも帝に求められている状況ではどうにもならず、という三角関係が繰り広げられるのだった。

三角関係って暗くなりがちであまり好きではないのだけど、思った以上に暗くはならず、おそらく二人ともが、帝(16歳)を大事に思っているせいで、表面上は穏やかに進行する。

お仕事だの謎解きミステリーだのと帯文句にはあったのだけど、イメージとしては完全に恋の話です。少なくともこの巻に関しては、宮中に広がるままならない恋の話が悲恋となりまた不可解な謎として現れる。全てがままならないので、そこは、こう悲劇ものが苦手な私としてはくっとなることも多いのですが、それでも主人公たちは自分の心に折り合いをつけて何とか上手くやっていて、不必要に暗くはならず楽しく読めました。

小田菜摘さんは、古くからいる方で存在は知ってはいたものの、おそらく多分初作家なのですが、中々良いなと思いました。