空ゴト日和の庭

主に本とゲーム

11/16 アニメの話といろいろ

・「本好きの下剋上」アニメ

いやもう、今一番楽しみに見ています。元々原作大大ファンなので、無駄にハードルが上がってたのですが、個人的にはとてもいい感じだと思います。絵がどうとか一部では不満があるみたいですが、展開もスピーディでわかりやすいし、ちゃんとアニメ用に上手くアレンジしているし、予告のフェル様がとても良い感じで、いやあれは原作ファンにとってはとても嬉しい。寧ろ毎回これが楽しみでならない。一部以降も続いて欲しいんだけど、どうなんでしょう。アニメを見て原作読みましたの声はわりと聞くんだけど、それでもアニメ界の立ち位置的には全然ですよね。正直いうと、見ない円盤をお布施のために買うかどうか迷っています。(買えよ)(でも私円盤見ないんですよ)

・FGOとあんスタのアニメ

正直いうと両方ともまともに見れてないです。原作アプリはちゃんと好きなので許してください。原作とアニメは別ものですよね?ちゃんとキレイに上手くできてるのはわかるんです。しかしアニメ単体して面白いとはどうも、こう、微妙なんですよね。頑張って見ようと思ってるのですが"頑張らないと"見れないアニメはどうしても切れてしまいます。

・その他アニメ

それ以外だと見てるのは「慎重勇者」くらいです。あれ、面白いですよね。原作はちょこっと読んだことはあったのですが、あそこまでギャグに吹っ切れたのはアニメ監督?の功績が大きいと思います。基本的に、ニコ動でしかアニメは見れないので(そとれ以外の媒体で観ようという努力はしない)、限られてしまいます。

無職転生、アニメ化するそうですね。

一応原作読んでるものの、個人的に面白くなるの社長が出てきてからなんですよね。原作の三分の二くらい過ぎたあたりでしょうか。その間の話が惰性に感じてやたらすっ飛ばして読んだりと、結構まだら読みだったりします。

・「地獄少女」実写映画見てきました。

ホラー映画好きというわけではないので、白石監督さんのことは知りません。地獄少女実写という感じで観ましたが。すごくB級ホラーでした。ビジュアルは完璧。アレンジも、まあまあ実写的に落とし込んだ気もします。ただ、キャラとして考えると活躍が薄かった気がしますけど、まあまあ仕方ないなという気もしました。

映画の話じゃないけど、映画館の話ですけど、いつもと違うちょっと遠めの場所に行ってきたのですが、すごく良い映画館でした。広いし、座り心地は良かったし、見やすかったし、あの空間でならまた観たいと思ってしまいました。ただ遠いんですよね。最近映画を微妙に良く見るようになって、そんなことが気になってしまいました。

 

 

11/15 読了本『消滅世界』村田沙耶香

 

消滅世界 (河出文庫)

消滅世界 (河出文庫)

 

 とてもSFだった。今の価値観とは全く違う世界観の話。実際こんな風に世界があることは可能なんだろうか、ちゃんと世界として確立されるんだろうかと考えてしまいます。

夫婦間による性行為ではなく、人口受精で子供を産むことが定着した世界。家族とは家族であり、恋人とは外に作るもの、家族とセックスすることは近親相姦であると、それが常識である世界の中で、家族とはどんな意味を持つのか、傍から見ていると、兄妹間の関係に似ているのかなとも思えました。妻が夫にあなたも早く恋人作りなさいよと応援したり、アシストしたり、一種異様にも見えたけど、それで皆が幸せならそれでいいんじゃないかと、物語の前半部分では思えました。

しかし、後半部分に出てくる"実験都市"で、私の道徳観?価値観かな?が拒否反応を示してしまいました。そこでは抽選によって選ばれた人が決められた日に人工授精をし、生まれた子供はセンターに預けられ、すべての大人が「おかあさん」であり、全ての子供が「子供ちゃん」として、都市の人達みんなで育てられるのだ。始めは違和感を持っていた主人公が段々とそこの常識に飲まれていく様が描かれているので、生まれた子供がどんなふうになるのか、その都市の"実験"は正しく成功するのかそこに言及はされないのだけど、自分の常識からするとこんなもの上手くいかないのでは?という思いがぬぐい切れませんでした。物語の最後では男ですら子供を産むことができるようになり男女が結婚する意味は全くなく、意味がないのなら確かに一人で生きていくことが普通になるのだろうか。こういう特殊な世界観の話というのは本当に好きなのだけれど、大抵の場合は主人公ただ一人の視点から描かれる場合が多く、その世界を、他の人たちがどう考えて生きているのかとても気になってしまいます。

 

ところで村田沙耶香作品はいくつか読んでいて、後味の悪いもの、そうは感じないものとありますが、個人的には微妙なものの方でした。犯罪はNGです。狂ってしまった人の末路といいますか、お隣の人とは和解してほしかったなと。まあ村田作品において誰かと誰かが分かり合うなんてまずないんですが、それでも自分は自分だと突き進んでいければ良かったのにと思ってしまいます。『コンビニ人間』がそれでしたよね。それで一人を選んだ。やはり一人が最良か、と村田作品を読んでいるとそう思わせるような描写が多いのですが、だからこそ逆に、いやいや人と関わり合うことでこそ笑いあえることもあるよ、と言いたくなることも多く、面白いですね。

11/12 読了本『カササギ殺人事件』アンソニー・ホロヴィッツ

 

カササギ殺人事件〈上〉 (創元推理文庫)

カササギ殺人事件〈上〉 (創元推理文庫)

 

 面白かった!

ものすごい話題だったのでいつか読もうと読もうと思っておりやっと読めました。とてもアガサクリスティー風味溢れる作品でした。

本作は作中作になっており上巻はほぼその作中作である「カササギ殺人事件」の話です。名探偵が病で余命宣告を受けた後、最後の事件として捜査することになった田舎のパイ屋敷で起こった不可解な事件の話。田舎における噂好きの婦人が事故で死んだ。しかし、その婦人は色んな人の弱みといえるものを握っているらしく嫌われており、殺されたんじゃないかと噂されていた。その噂のターゲットにされた青年の婚約者であるジョイがその噂をどうにかしてほしいと名探偵ピュントに依頼しに来るも探偵には断られてしまう。そんな中、今度はパイ屋敷の主人であるマグナスが殺されてしまい、とうとう警察と名探偵が登場することになる。それぞれの登場人物がそれぞれの事情を抱えており、色んな思惑が入り乱れクリスティー好きには堪らない展開です。そして最後の最後、衝撃の展開で終わります。

続きが見たい!という気持ちを抑えきれず、すぐに下巻をちら見すると、そこはそこで衝撃の始まりがありました。

 

 

そんなわけで下巻の感想はワンブランク開けます。

 

続きを読む

10/26 「雨格子の館」とゲーム実況

10年来の積みゲー雨格子の館」をクリアしました。

攻略をこそこそ見ながらノーマルEDのみ。Sランク真EDが到底無理だったので実況動画で補完するはめになったのですが、そのせいで今、ゲーム実況に嵌りまくって大変なことになっています。何といっても過去ゲーム実況黄金期といえる時期にめちゃくちゃ見ていたもので、その楽しさに再度目覚めてしまったというか、あまりに時間が取られるのでほどほどにしたかったのですが止まらなくなってしまいました。しかも、このゲームを知ってる人はわかると思うのですが、EDとは関係なしにキャラと特定の会話をしないとそのキャラの真実がわからなかったり、会話の時にアイテムを相手に突き付けて会話をするのですが、そのアイテムが膨大でその全てに会話文章があり、その全てを網羅することは普通に不可能で、動画見ていると新発見がありすぎてとても楽しいのです。某キャラがアレだったりソレだってりする真実に動画見て初めて気づきました。

 

ところで、ゲーム実況を見る話ばかりしましたが、実際『雨格子の館』をプレイした感想はどうなんだと言われると、「違うんだ、私はノベルを読みたいのであって推理ゲームがしたいわけではないんだ」という気持ちでプレイしてました。推理ものであってサウンドノベルではないのでお話だけを求める人にはきついものがありました。でもストーリーもキャラもめっちゃ良かったです。お話の展開の持っていき方も、一周目でおそらく全滅して、そのせいでそれぞれのキャラがどうなるかという反応が見れて次の周回でキャラを助けることができてお礼を言われた時は格別の気持ちが湧きあがりました。ただ惜しむらくは推理ゲームにありがちな、わかってるけどどうしたらいいかわからない(主にアリバイ表作成の仕方に)、状況に悩まされ過ぎたことです。ゲームシステムが理解できなくて途中で止まるって一番嫌なんですよね。正直もっとちゃんと説明しろやな気持ちがなくもなく。なので良ゲーとは言い難いがストーリーは良かったという話になります。

そしてゲーム実況を見ても、大抵の人が一周目は戸惑っていて、私だけじゃないじゃんとほっとできたのも実況動画のいいところですね。理想を言えば、攻略見ないでSランククリアできるような猛者を見たかったけど流石に(見た限り)皆攻略見てましたね。プレイの仕方が無限大なためできればもっと色々見たかったんですが、そこまで人気ゲームではないためかそう多くもありませんでした。残念。

 

そんなわけでゲーム実況に今とても嵌っています。しかも、実況が面白ければその実況者のまた別動画を見たいと思ってしまうスパイラルに陥ってまして、基本的に私は自分がプレイしているゲームしか見ないのですがわりとゲームはやってた方なので何かしら見てしまいます。見るのは昔の動画ばかりなんですけどね。 

 

 

雨格子の館

雨格子の館

 

 ちなみにプレイしたのはPS2版です。この時代にアホほどゲームを買っていて未開封のゲームがまだまだあります。

 

10/24 読了本『茉莉花官吏伝 七』石田リンネ

 

茉莉花官吏伝 七 恋と嫉妬は虎よりも猛し (ビーズログ文庫)

茉莉花官吏伝 七 恋と嫉妬は虎よりも猛し (ビーズログ文庫)

 

前回6巻で、珀陽が茉莉花に想いを告げるという衝撃的なところで終わって、正直、まだ早いだろうと思って嫌な予感しかしなかったんだけど、おこぼれ姫のようなことにはならず、そちらよりは一歩進んだ形になってホッとしました。

珀陽の告白に対し断りの返事をしたものの、最後の思い出としてデートをしてほしいと言われ二人はデートをすることに。何だかいい雰囲気になるものの、そこで謎の青年に助けが欲しいと声をかけられ、それが重要な事件の発端となることに。次からの新展開に向けての序章という話でした。

ごたごたは一旦は解決したものの、というか解決するために次回からは又羅国に出張することになった茉莉花、また色々ありそうで楽しみです。

茉莉花官吏伝のこの物語の形態は何というんでしょうね。茉莉花が色んな場所に出張して問題ごとを解決してまた戻ってくるという。何だか"探偵もの"みたいで(探偵が事件現場に赴いて解決するという)私は大好きです。

今一番楽しみにしているシリーズなので長く続いて欲しいですね。

 

 

10/18 読了本『蜜蜂と遠雷』恩田陸

 

蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫)

蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫)

 

 上下巻とも読みました。

面白かった!これは映画を観に行きたい。

読む前は中々手がつかず、それというのも私は音楽には縁がないし、何となく音楽家たちの葛藤なんかをドラマチックに描いた作品なのかなと勝手に思っていまして、しかし読んでみたら全然違って、個性豊かな天才たちが一つのコンクールに集まり競い合う様をスタイリッシュに描いた作品だった。

まず始まりが強烈だった。音楽界で一度も名前の聞いたことのない少年が音楽コンクールの予選で審査員たちを圧倒させるという天才エピソード。しかも、彼は家にピアノを持ってない。そんな彼がこのコンクールでどんな嵐を巻き起こすのかと一気に作品に引き込まれました。

基本的には一つのコンクール内の話で、一次予選、二次予選、三次予選、本選と進んでいき、その合間にそれぞれのキャラクターたちが出会い触れ合ったり、過去と向き合ったりします。そのうちの一人、天才少女としてデビューしたものの母の死によってピアノが弾けなくなってしまった栄伝亜夜のパートがとても良くて、こちらのエピソードは恩田陸さんぽいなと感じました。ピアノから離れて暮らしていたところ昔の母の知り合いという人が現れ、コンクールに出ないかと言われる。そこで迷いながらも出たコンクールで風間塵という天才に出会い圧倒され、引き上げられる。この二人の出会いが運命的で、始めは塵こそが天才だという目で見ていたのに、途中から亜夜の覚醒っぷりに、この物語は彼女こそが物語の真だったと思うようになりました。

そしてこの作品の要でもある音楽表現が独特で、一体どのように音楽を文字で表現するのだろうと思えば、私が音楽を聞いたところでさっぱり読みとれない、情景や背景、人の想いなんかを見事に文字化してくれて、本当に音楽を聞いてる気分、になれてるかわかりませんが、聞く人が聞いたら思い浮かべるられるだろうという情景を思い浮かぶことのできる人、の感情を見事に表していると思われ、とてもスムーズに読み込めました。(音楽音痴ですみません当方本当に音楽を聞かないので)

そんなわけで、あらすじからピンと来なくて長らく放置していたものの、人気があったので読んでみたいらめちゃくちゃ面白かったという稀有な本になりました。湊かなえさんの「告白」以来ですね。(あらすじ微妙だったのに読んだら面白かったという本)

 読み終えた後、このキャラクターたちの今後が読みたいと思ったものの、多分ここで終わるのが美しいんでしょうね。音楽ものといえば「のだめカンタービレ」くらいしか知らないのですが、きっといざ音楽家の道を目指したら目指したで天才たちも色々苦労などある気がします。なので、こんな風に、新たな道が開かれたその瞬間に閉めるのは良い気もします。

 

面白かったです。映画もぜひ観に行きたいと思います。

 

10/4 読了本『イデアの影』森博嗣

 

イデアの影-The shadow of Ideas (中公文庫)

イデアの影-The shadow of Ideas (中公文庫)

 

主人と家政婦と「彼女」の三人で暮らす日々を、幻想と夢が入り混じったような彼女の視点でゆったりと語られる。 

年の離れた主人につき従い、何でも言うことを聞いて生きていた彼女。ある時、主人がハセガワさんという英語の家庭教師を付けてくれるという。そんなことは今までなく、彼女はいつもと違う日常に舞い上がってしまい、少しずつ熱を帯びていく。しかし、そんな彼は死んでしまう。しかし、死んでしまっても夢で逢える。その後も色々な男が彼女のまわりに現れるもみんな死んでしまい、彼女は夢と現実の間を彷徨いながら現実とは自分とは何かを考えることになる。

ミステリーならば、最後の最後で彼女を客観的に見た姿が描かれたり、何等かのオチがあるんだろうなと思いながら、今作品では最後まで彼女から見た世界と世界の終わりが描かれていた。それはそれでキレイなものではあったけれど、独りの視点からだけだとそれが幻想なのか真実なのかわからないままで、おそらくそれこそが今作品の趣旨なのだろうけど、だからこそ終わってもまだ夢のようなふわふわした感覚が残ってました。

 

実は昔一度読んだことがあって(途中で気付いた)、その時は、意味わかんないしあんま面白くね、と思った記憶があるのですが、今回読んでみると、文章のキレイさに惹かれて、意味がわかるとかわからないとかはおいておいて、それはそれで謎の部分は気にはなりつつも、楽しく読めました。