空ゴト日和の庭

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4/11 読了本『掟上今日子の設計図』西尾維新

 

掟上今日子の設計図

掟上今日子の設計図

  • 作者:西尾 維新
  • 発売日: 2020/03/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

掟上今日子シリーズ第12弾。西尾作品で一番好きなシリーズです。

今回の話は爆破予告犯との戦い。今までになくアクティブさのある話でした。久しぶりに厄介さん視点かつ、犯人の視点が交互に差し込まれる為、スピード感がありました。 

今日子さんがパッチパネルなどの現代物に驚く様式美が確立されつつあるけど、これはどこまでいくか、これから先年数が経って先が見てみたい気もしますね。今回も爆破動画を動画サイトにアップされるといういかにも現代的なギミックを使ったりと、このシリーズは敢えて現代感を感じさせるようなものを持ってくることが多く、過去から見れば未来的で、現在人から現代的で、そして時が過ぎれば昔懐かしき過去の遺物感が出てくるもので、そこに忘却探偵を絡めてるのが面白いです。

そして、今回は今までになく、何だかセンチメンタルな終わり方に見えました。西尾維新といえば、冷たいような、蛋白な、さらっとしたような、もしくは天邪鬼な、少なくとも温かさを正面から扱ったような作風じゃなかったような気がして、正直言うと、逆に何か裏があるんじゃないかとすら思ってしまった私がいます。しかし、そうではないのかな。少なくともこれは素直に受け取っても良いのかな。

西尾シリーズでまともに読んでるのが今日子さんシリーズだけといっても、他のシリーズも全て多少はかじっているので(つまり途中で止まってる)、これを読むたびに他のシリーズの続きも読まなくてはなんて思ってしまいます。少なくとも伝説シリーズは読みたい気持ちはあるのです。確かに四国あたりまで読んだ気がします。りすかが再始動するという話も聞きました。これは朗報。とても楽しみです。