空ゴト日和の庭

主に本とゲーム

8/30 読了本『女皇だった前世を持つ織物工場の女工は、今世では幸せな結婚をしたい』風見くのえ

 

 前世が女皇で平民に生まれ変わったものの、特殊な力も受け継いでいる為、その頃の常識が抜けきらずある意味正しい、私やっちゃいました?系な話。

この世界の設定がわりと特殊で、皇族は平民と比べ長寿族で皇気という特殊な力を持っているとか、主人公は生まれ変わったものの、その孫が同じ時代に生きているとか、平民でありながらわりと国関係の話に関わっていき、あまり恋愛恋愛した話にならなかったのがちょっと残念です。後、登場人物が多過ぎたせいかヒーロー役の人の印象が薄い。主人公が色んな人に溺愛されていて、つまり前世の関係者などが生まれ変わったことを勘づきガンガン登場するので、何となく、もう少し上手くすれば面白くなるような気もするのに、わちゃわちゃ感が強くとても惜しい感じがしました。ただ、キャラ自体はすごく良かったです。前半では、前世で出来なかった恋愛を今世こそと婚活を頑張る主人公の一歩半ズレた残念さと前世の経験から来るチートかっこ良さがいかんなく発揮され掴みは完璧だったものの、後半からは戦争とか陰謀の話が前面に出てしまい、もう少し恋愛部分に焦点を当てて欲しかった。他国の王位継承問題など、直接的に主人公たちに関係のあることではないし、そこはまるまるなくても良かった。その分、皇家の人達が何とか出てくるような展開になった方がちょっと面白かったのではないかなぁと。

風見くのえさん初作家さんでしたが、調べたらわりと作品を出している人のようで(主にレジーナかな、アルファポリス系は本を出すとwebを削除させるということであまり好きではない)、読んでる間は面白くはあったのだけど、あまり恋愛色が見えずよくわからなかったという部分もあり、もう少し色々読んでみようかなと思ってます。