空ゴト日和の庭

主に本とゲーム

1/29 読了本『航路(上)』コニー・ウィリス

 

航路(上)

航路(上)

 

 最近、これをずっと読んでました。荻原規子さんがいつかどこかで紹介されていていつか読んでみたいと思っていた作品。まだ上巻のみだけどとても面白かった。臨死体験を科学的に研究しようとする人たちの話で、SF小説と聞いてたので、近未来の話かと思ったらわりと現代的な話で、まともな人にはオカルト研究だと蔑まされたり、逆にとんでもオカルト学者からはすり寄られたりとする中、主人公は人為的に脳を臨死体験の状態にさせる実験に関わっていく。ここで、私が思い浮かべてしまったのは最近見たアニメの『イド』(人の深層心理の中に潜り込むという話)なんですけど、流石にここまでファンタジックではなかったものの、イメージ的にはずっとこれでした。臨死体験『NDE』の中に潜り込むとそこは必ず同じ場所、同じ場面にいて、それが記憶の何に類するものなのか、現実世界において確かめていく。『NDE』に潜るたびに話が進んでいき、そこがどこなのか調べていく様はゲーム的でもありました。その進み具合がとてもゆっくりで、まだよくわからない状態で上巻は終わっています。病院が舞台なので、臨死体験をした人たちとの交流も描かれており、そこで出会う人々との関係も面白い。

ここからどういった方向に話が展開していくのか、この作品において『NDE』とは何なのか、続きも早めに読んでいきたいと思います。